薬剤師は資格を取得するために薬学系大学への進学から専門知識の勉強、国家試験を受験、そして合格しなければなりません。 一般の社会人よりも多くの関門を潜り抜けてきたわけです。 このような努力を重ねてきたにもかかわらず、年収が一般の人々とそれほど変わらない勤務先もあります。 今までの努力がある分、もっと収入が多い転職先はないかと考えるのも当然でしょう。 近年では外国企業の日本市場への参入も顕著で、医薬品市場などへも参入しています。 外国企業は結果を出した人への報酬が高額であることが知られていますが、日本市場に参入している医薬品関連の外国企業へ転職すれば、高収入が得られるのでしょうか。 また転職に際しては、どのようなことに注意しておけば良いのでしょう。
目次
薬剤師が医薬品関連外国企業に転職できる仕事とは
外資系企業が薬剤師を募集している場合、そのほとんどが製薬会社です。
製薬会社からの募集ではその多くがMRでしょう。
自社の医薬品情報を医療機関の医師や看護師などに提供しながら、営業活動を行ない、自社医薬品の使用を促すのが仕事です。
販売ノルマはあるものの、成績によっては高収入を得ることもできます。
製薬会社以外では、CROと呼ばれる治験代行支援会社からCRAを募集しているケースも多く見られます。
CROとは、新薬の開発段階で義務付けられている臨床治験を製薬会社に変わって行う企業であり、CRAは臨床治験を計画し、管理する仕事です。
新薬開発に直接かかわっていることを実感できる、非常にやりがいのある仕事です。
これら以外には外資系の医療機器メーカーで、メディカル部門を担当するなどの仕事でも求人があります。
完全能力主義の外資系企業
上記のような外資系企業での年収は1,000万円を超える場合もあり、最大1,600万円まで年収を獲得できることを明示している企業もあります。
これらの年収は、薬剤師の勤務先としてはおそらくトップクラスになるはずですが、これらを明示している外資系企業に転職すれば、それだけで獲得できるものではありません。
外資系企業は完全能力主義であり、結果を出せる人には年収や地位を与えますが、そうでない人にはそれなりのものしか与えてくれません。
つまり頑張った人にはそのことを正当に評価してくれる企業であると言うことです。
外資系企業の勤務や待遇
外資系企業は完全能力主義であるため、日本のように細かな勤務規定は設けられていないことがほとんどです。
結果を出せば細かいことは問わないという姿勢なのでしょうが、フレックスタイムを導入しているところも多く見受けられます。
福利厚生は非常に充実しており、産休やホームヘルパー制度、社員持ち株会など、日本企業では整っていない分野でも充実していることが特徴です。
外資系企業で勤務する際に求められるもの
このような外資系企業に勤務する際に求められる、日本企業と大きく異なるものとはどのような点なのでしょうか。
ビジネスで通用する英語力
外資系企業に勤務するうえで最も重要なのが英語力です。
それも日本の学校で学ぶような英語ではなく、ビジネスで通用する英語力が求められます。
上司が外国人であるケースも多く、社内コミュニケーションでは英語が必要になり、海外にある本社からの文書なども全て英語になります。
また医薬品情報などの文書も英語で記載されており、英語ができなければ仕事にならないのが現実です。
しかしながら、企業によっては英語力を向上させるためのサポート体制を整えているところもあります。
ただし、慣れない仕事を覚えながら、なおかつ英語力も身に付けなければならないため、相当な努力が必要であることは理解しておかなければなりません。
自分自身を管理できる能力
外資系企業は完全能力主義であり、結果さえ出していれば、休暇を取ることに対しても何も問われません。
これはつまり、自分自身を管理できることが前提になっているのです。
自分で目標を立て、それを達成するために今は何をすべきかを計画し、どのようなタイミングで実行するのかは全て自分自身で決めなければならないのです。
もちろん、自分で残業や休日出勤が必要だと感じれば、自主的に仕事をするわけです。
上司が指示を出すわけではありません。
自分自身を管理できなければ、成績も伸び悩み、仕事を続けることすら難しくなってしまうでしょう。
外資系企業の求人情報を得る際の注意点
外資系企業からの薬剤師に対する求人は、年収が高いことも影響し、非公開で募集されているケースがほとんどです。
これは企業の営業戦略を競合他社に把握されることを避ける意味合いもあります。
そのため、転職サイトなどを眺めているだけでは求人情報を得ることはできません。
転職サイトに登録し、担当のコンサルタントに外資系企業に転職したいことを伝えておき、応募条件に合う非公開求人があったらすぐに教えてもらうようにしておく必要があります。
また非公開求人ができるまでの間に、英語力を向上させていることなどもコンサルタントに伝えておけば、応募条件に合致する率も高くなるでしょう。