薬剤師が転職で利用する転職サイトの中には、採用が決まればお祝い金を出すことを表示しているサイトがあります。 転職を考える薬剤師の中には、お金で利用者を釣っているのではないかと考える人がいるかもしれません。 お祝い金をもらってうれしくない人はいないでしょうが、お祝い金とはそもそもどんな性質のお金なのでしょうか。 また誰が支払っているお金で、どうして支払えるのかを知れば不安になることはないでしょう。 お祝い金が支払われる仕組みについて紹介します。
転職サイトのお祝い金制度とは
転職サイトの中には、お祝い金制度を取り入れているものがあります。
これは、その転職サイトを使って転職を成功させるとお祝い金がもらえるというものです。
お祝い金の金額は、転職サイトによって違ったり、転職先や契約年収などによって違いますが、一般的には数十万円もらえる場合がほとんどです。
ただしパート勤務やアルバイトの場合は適用されず、常勤勤務で入職した場合のみ適用されていることがほとんどのようです。
またお祝い金は入職してすぐに支払われるわけではなく、数か月後であったり、分割して支払われますが、これも転職サイトによって異なります。
なぜお祝い金制度を採用しているのか
数十万円ももらえるお祝い金ですが、どうしてこのような制度を導入している転職サイトがあるのかをご説明しましょう。
最近は転職サイトが乱立気味になっており、大手から中小の転職サイト全部を含めると相当数が存在しています。
そのため、転職を希望する登録者の取り合いが激しくなっており、少しでも登録者を増やす手段としてお祝い金制度を導入しているのです。
お祝い金制度の仕組み
利用者としては、お祝い金がもらえるのはうれしいことですが、転職サイトはどうしてこれほど高額のお祝い金が支払えるのでしょうか。
それには転職サイトの利益構造を理解する必要があります。
転職サイトは、サイトに登録した人が転職に成功して入職すると、採用企業などから報酬を受け取る仕組みになっています。
多くの場合、報酬額は入職者の年収の20%程度と言われていますが、これが転職サイトの利益になっています。
お祝い金はその中から支払われているのです。
すなわち、利益の一部を転職成功者にお祝い金として支払っているということです。
ただし入職した人が短期間で辞めてしまったりすると、報酬を支払っている採用企業としては痛手です。
そのため転職サイトと企業間で、入職後数カ月以内に退職した場合には、報酬の何%かを返金することを事前に契約してあります。
これが影響して、入職者にお祝い金が支払われるタイミングが入職の数か月後になったり、分割になったりしているわけです。
お祝い金の額が転職サイトによって異なる理由
お祝い金は上記のような仕組みで支払われていますが、その金額は転職サイトによってまちまちです。
どうして違いが出てくるのでしょうか。
転職サイトにも大手から中小と色々あり、それぞれが薬剤師を求めている企業に対し営業的アプローチをしています。
ここで競争の原理が働き、知名度が高い有力サイトなら報酬額は30%になっても、知名度が低い中小サイトなら20%に抑えなければ求人情報を掲載できない状況になってしまいます。
報酬額が低くなると、お祝い金の額も少なくせざるを得ません。
これはもちろん、転職サイトの収益も影響してきます。
このため、お祝い金の額も転職サイトによって異なってくるのです。
お祝い金は遠慮なく受け取ろう
転職サイトのお祝い金制度は、転職サイト同士の利用者獲得競争で生まれてきたものです。
そのためお祝い金を出しているからと言って、決して怪しげな金銭ではありません。
堂々と受け取れば良いのです。
しかしながら留意しておきたいことは、お祝い金の金額の大小で転職サイトを選んではならないということです。
転職は薬剤師にとって非常に大きな転換期にあたるものです。
親身になってアドバイスしてくれ、転職をサポートしてくれる転職サイトを選択すべきであり、お祝い金の額で選ぶものではありません。
あくまでも転職の付録的なものだと思っておく方が賢明でしょう。