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薬事情報センターで働くには?

薬剤師のデスクワークへの転職【薬事情報センター編】

薬剤師のデスクワークへの転職【薬事情報センター編】

「薬事情報センター」は各都道府県の薬剤師会が運営する組織です。 会員になっている薬剤師であれば耳にしたことがあるでしょう。 当然、専業として従事している職員もいます。 具体的にどのような仕事をするのか、待遇や転職方法などを詳しくご紹介します。

薬を客観的に評価して情報提供する組織

薬剤師会は会員同士の交流やスキルアップを目的としており、講習や研修の実施、情報提供、サポートなどを行っています。
日本薬剤師会のように全国規模のものから、都道府県や市町村など特定の地域や職種別の薬剤師会もあります。

その中で「薬事情報センター」は流通している薬を評価するために調査や研究、臨床試験を行い、薬剤師だけでなく医療関係者や一般住民に幅広く情報提供をします。
インターネットのサイトや電話での問い合わせ対応、広報誌の発行などです。
その点では民間の製薬会社における「DI(ドラッグ・インフォメーション)」に似ていますが、薬事情報センターではあらゆる薬を比較してより客観的な評価を下します。
サプリメントなど健康食品を対象としている場合もあります。

都道府県によっては在宅医療の推進に協力したり、医薬品による事故に対応したりするなど、幅広い業務に携わっているところがあります。
名称は「くすりの相談室」など都道府県で異なり、力の入れ具合によって情報の充実ぶりや職員数にも差があります。
そのため近年ではデータベースを共通化して地域差をなくすなど、全国的な取り組みが行われています。
いずれの業務もデスクワークが中心です。

同様の活動をしている団体に一般財団法人の「日本医薬情報センター(JAPIC)」があり、こちらは日本製薬工業協会に加盟している民間の製薬会社によって設立されました。
ただし求人は新卒者か退職者の再雇用に限られています。

薬事情報センターで求められる資格

薬事情報センターではDIだけでなく調査や研究、臨床試験を行わなければいけないので、薬剤師の資格に加えて薬学の博士号を取得していなければいけない場合があります。
博士号を取得するには、薬学部を卒業した後に4年の博士課程を修了しなければいけません。
勤務する人数が多くて、DIと研究で担当を分けられているところなら薬剤師の資格だけでも働くことができるでしょう。

薬事情報センターの待遇と給与

薬事情報センターで働くのは、各都道府県の薬剤師会を運営する専業の職員です。
勤務は日中に限られ、原則的に土日や祝日は休みになります。
基本的に勤務地は薬剤師会の拠点しかないので、県庁所在地など都心部での勤務になります。
転勤はありませんが稀に別の組織へと異動する場合があります。

薬剤師会は一般(または公益)社団法人なので、給与はそれぞれの職員給与規定によって定められています。
ただし、ほとんどが国家公務員や地方公務員の給与を基準としており、最終的には薬剤師会の会長によって支給額が決まります。

相場は年収で300万円前後で、これに賞与や各種手当が加わります。
採用された直後は民間企業の調剤薬局やドラッグストア、製薬会社などに比べると見劣りしますが昇格・昇給があるので長く働くほど総収入は大きくなります。

転職サイトでも探せるの?

薬事情報センターの職員は絶対数が少ないため、求人情報が出るのは欠員が生じた時か事業を拡大する時に限られます。
薬剤師会内の組織なので、前任者の推薦や会員の薬剤師への呼びかけなどで決まる場合がほとんどですが、稀に転職サイトなど一般に公開される場合もあります。
ただし誰でも良いわけではないので、登録者だけ見られるようにしたり、有資格者だけに紹介したりするなど非公開扱いの求人としています。

正規雇用にこだわらなければ、パートや派遣社員として働ける薬事情報センターもあります。
例えば業務のうち電話応対など限られた範囲の業務しか担当しないケースです。
これらの求人情報なら比較的容易に入手できるでしょう。
その代わり薬剤師の資格が必要であれば時給は2,000円台を期待できますが、そうでなければ一般的なコールセンターとあまり変わらないかもしれません。

情報が少ない仕事だけに、応募する時は転職コンサルタントに相談した方が無難です。
職場環境や任される仕事の範囲など、詳しく教えてくれるでしょう。