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地域への貢献が実感できる仕事

Wワークが可能?学校薬剤師に就任するには?

Wワークが可能?学校薬剤師に就任するには?

薬剤師はどの職種でも多忙なので「Wワーク(副業)」は難しいものです。 けれども1つの職種だけでは仕事が偏ってしまい、薬剤師としての幅が広がりません。 そんな薬剤師のWワークが可能と思えるのが「学校薬剤師」ですが、実際にはどうなのでしょうか。 学校薬剤師は、その名のとおり学校に配置される薬剤師のことです。 学校保健安全法の第23条により、大学以外の学校(小学校・中学校・高校・高専・養護学校など)には、必ず1人の学校薬剤師を配置する決まりになっています。 どのような仕事で、就任するにはどうすればいいのでしょうか。

学校薬剤師の仕事と役割とは?

学校薬剤師は生徒たちが快適に勉強できるよう、健康の維持や学校の環境づくりに携わります。

具体的には学校の保険や安全計画の立案に参加し、生徒たちの健康相談や保健指導も行います。

近年は中学3年生で薬の使い方について指導する授業があります。

薬物乱用防止の啓蒙やセルフメディケーションなどについて、実際の指導にあたる教師にアドバイスするだけでなく、時には自ら教壇に立つ場合もあります。

学校の保健室には医薬品が、理科室には劇薬や毒物があるので、その管理と使い方の指導もしなければいけません。

さらに定期的に行うのが環境衛生の調査です。

例えば飲料水やプールの水、給食は安全か、勉強するのに最適な照明や温度、空気か、騒音はないか、などを確認します。

学校薬剤師は薬剤師の免許があれば誰でもなれますが、学校で働くのですから教育の場にふさわしい人物であることが重視されます。

経験豊富なだけでなく、学校教育に対する理解も必要です。

国立の学校では国家公務員、公立では地方公務員、私立は嘱託職員という扱いになります。
いずれも非常勤です。

学校薬剤師が抱える問題点

学校薬剤師は慢性的な人手不足であり、複数の学校を兼任している学校薬剤師も多く存在します。

その理由としては極端に報酬が少ないからです。

勤務回数が月1回程度と少なく、それでも日本薬剤師会の調べでは平均年収が16万円しかありません。

報酬は地方交付金の中から捻出されますが地域によって差があり、50万円以上のところもあれば限りなく無報酬に近いところもあります。

学校薬剤師の重要性に対する認識の違いが、そのまま報酬の差に表れています。

月1回程度とはいえ、学校薬剤師の仕事は平日の日中がほとんどです。

Wワークするには本業を休まなければいけません。他の薬剤師がいない薬局では一時的に店舗を閉めて対応するところもあります。

たとえ学校に出向かなくても学校薬剤師の任務を遂行するために必要な知識も身につけなければいけません。

遠方の研修に参加したり、学校薬剤師会が教材として配布しているDVDで学習したりする時間も必要です。

そう考えると平均年収が16万円では割に合わないと感じるでしょう。

実際には、地元の調剤薬局や病院に勤務している薬剤師が就任していることが多く、報酬よりも地域への貢献と本業の集客を期待して就業するものと考えるべきでしょう。

学校薬剤師の仕事は転職サイトで探せる?

学校薬剤師の任期は1年で、中途の辞職は避けるのが望ましいとされています。

何も問題がなければ契約は更新されますが、満了をもって辞職したり職場の人事異動によって欠員が生じる場合があります。

国立や公立の学校であれば教育委員会が学校薬剤師の任命権者なので、欠員が生じると前任者から紹介を受けたり、薬剤師会から推薦を受けたりして後任が決まります。

そのため薬剤師会の会員でないと国公立の学校薬剤師になるのは難しいでしょう。

もし希望するのであれば、地域の薬剤師会か学校薬剤師会に問い合わせると求人が見つかるかもしれません。

一方、私立の学校は学校法人や設置者が任命権者になるため、ごく稀に薬剤師会を通さず転職サイトに求人を載せる可能性があります。

ただし誰でも良いわけではないので、ほとんどが非公開です。アドバイザーやエージェントなどに「学校薬剤師になりたい」と伝えれば求人があり次第、紹介してくれるでしょう。

国公立・私立、どちらにしても狙い目は学年末で薬剤師の人事異動がある2~3月が狙い目です。特別な資格は不要ですが、管理薬剤師は都道府県知事の許可が必要です。