ホームへ戻る

カテゴリー

新着記事

ここ1ヶ月間の人気の記事

面接で分かる!?

職場での薬剤師の働きやすさ

職場での薬剤師の働きやすさ

いくらお給料が高い職場や一流と呼ばれる職場に転職できたとしても、薬剤師の働く環境が整っていない「働きにくい職場」だとしたらそれは転職成功とは言えません。 たとえば、薬剤師の仕事について全く分からない事務長が、上司として薬局をコントロールしているせいで、本来の薬剤師の仕事ができない薬局。 極端な人手不足で、足の踏み場もないくらいに散らかっている薬局。 このような薬局を転職先として選んでしまったら、転職したこと自体を後悔すると思いませんか。 「そんなウソみたいな話はめったにないでしょう」と言う人もいるかもしれませんが、薬剤師の職場環境は意外に整っていないこともよくあり、このようなウソみたいな職場が実際にあります。 そんなひどい職場は転職前に回避したいところですね。 でも、転職先の薬局が働きやすい環境かどうかを転職する前に判断するのは、かなり難しいというのが現実です。 今回は、働きやすい職場を判断するための一つの案として、面接に注目します。

面接官の中に薬剤師がいるかどうか

面接を受けるときに面接官の中に薬剤師がいるかどうかは、ぜひ注目してほしいポイントです。もしも面接官の中に薬剤師がいないのなら、その職場は薬剤師でない人がコントロールしている職場である可能性が高いかもしれません。

なぜ、面接官が薬剤師であることがそれほど重要なのかと疑問に思いますよね。面接官が薬剤師でなくても、きちんと判断してくれる人なら問題ないのではないかと・・・。

しかし、考えてみてください。

もし、薬局が薬剤師の指示のもとにきちんと機能していて、所属する薬剤師たちが誇りを持って仕事をしているような職場なら、薬局長や薬剤部長は当然薬剤師であり、薬剤部の職員に迎え入れるかどうかを判断するために面接に参加するのが当然ではないでしょうか。

面接官が事務長やその補佐の人だった面接を私は何度も受けてきましたが、そのような職場は決まって、他職種が薬剤師の仕事をコントロールするような「薬剤師が働くための環境が整っていない職場」でした。薬剤師の仕事の内容や倫理を分からない人たちが、権力だけで薬局や薬剤師を支配すれば、薬剤師としての仕事に支障をきたす結果になることは簡単に想像できますよね。

また、上司が薬剤師ではないせいで、薬剤部内の人間関係にトラブルが起きた時に相談しづらかったり、相談したとしても他人事としてとらえられてしまう、ということも考えられます。

「そのような状況を回避したいのならば、直属の上司が薬剤師かどうかを確認すればいいのでは?」という意見もあるでしょう。ですが、たとえ薬局長が薬剤師であったとしても、そのさらに上の上司として専務や事務長が薬局を事実上コントロールしていることもありますので、直属の上司が薬剤師だからと言って良い職場環境かどうかを判断するのは正直難しいです。

薬剤師が面接に参加をしていないということは、薬局長がいるとしてもあまり権限を持たされていない可能性が高いということになりますから、そういう意味でも面接官の中に薬剤師がいるかどうかというのは、大切な判断ポイントになるのではと思います。

面接後に薬局内を見学させてくれるか

薬剤師の働く環境の良さを決める要因の一つは上司である、ということを前の項目でお話ししました。この項目では薬局自体の環境について考えてみようと思います。

私は、今まで一度だけですが、仕事ができないほど散らかっている薬局の面接を受けたことがあります。小規模病院の中の薬局だったのですが、薬局の中に入った瞬間、ここは本当に薬局なのかと本当にびっくりしました。

調剤棚はあるものの、納品された医薬品を棚詰していない状態で、未開封の薬の箱があちこちに散乱していたり、以前職員だった人の給与明細が調剤台に無造作に置かれていたり、未調剤かと思われる膨大な処方箋が山のように積まれていていたり・・・と、こんなところで本当に働けるのか不安に思ったほど、ひどい環境だったのです。

事務の職員に、なぜこんなになってしまったのかを後日聞いたのですが、実は仕事量に比べて薬剤師がかなり少ないせいで、仕事がきついと薬剤師が連続で辞めてしまい、その後新しい人が来ても状況は変わらないため、結局同じ理由で短期で辞めることを繰り返しているとのことでした。

さらに驚いたことは、私が面接を受けた時点では勤務している薬剤師が一人もいない状態だったことです。薬剤師の代わりに事務員と看護師が必要な薬を薬局から持ち出さなければいけない状態で、だからいつまでたっても薬局が片付かないままなんだとか。

もし入職していたら、仕事の引き継ぎなど一切なしで仕事をし、同時に片付けまでしなければならないということですよね。新しい薬剤師がいつかないのも納得できます。

ちなみにその病院、面接官は事務長のみで、面接の内容も薬局のことや薬剤師としての経歴などではなく、病院の歴史について語って終わりでした。そして薬局の中は、私が何回も無理を言って頼んだため、面接後にしぶしぶ見せてくれたという感じでした。

私は薬局を見学したからこそ、この酷い環境に気付くことができ、入職をお断りすることができたと思っています。面接時に薬局・調剤室を見せてくれないような職場は、環境などに何か問題があると思ったほうが良いかもしれませんよ。

まとめ

今回は、面接のときに働きやすさを判断するという案を、いくつかご紹介してきました。

新しい職場に転職するときは、その職場環境の良し悪しについて誰でも心配するものですよね。実際に働いてみないと分からないことはたくさんありますが、この記事が転職先を選ぶための判断材料として役立ち、働きにくい職場を見極めるきっかけとなってくれたら嬉しいです。