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医療機関での経験が役に立つ

薬剤師の知識を使ったIT企業への転職

薬剤師の知識を使ったIT企業への転職

薬剤師の転職というと医療機関や製薬会社への転職を考えがちですが、中にはIT企業への転職を成功させる薬剤師もいます。 大学で長い間、薬学についてせっかく勉強してきたのだからIT企業に就職するなんてもったいない。 仕事では薬剤師として薬学の知識を生かした仕事に就きたい。 そう思う薬剤師もきっと少なくないでしょう。 IT企業というと薬学とは無縁の世界に見えるかもしれませんが、企業によっては薬学の知識を利用しながら仕事ができたり、薬剤師だからこそ活躍できるIT企業も実はあります。 今回は、薬剤師の知識を利用できるIT企業の紹介しながら、薬剤師の転職の幅を広げてみたいと思います。

医薬品情報を扱うIT企業への転職

多くの人がイメージするIT企業は、Webサイト上の機能をデザインしたり、プログラミングしたりする会社ではないでしょうか。

医療系の私たちはコンピュータ言語なんて学んできませんでしたので、たとえIT企業に転職したくても、PHPやRubyなどを一から学んで、使いこなすというのはかなりハードルが高いことだと思います。それに、一生懸命に学んできた薬理学などの知識を生かせないとなると、今までの努力が無駄になるのではと感じるのが本当のところですよね。

実は、IT企業の中には医薬品情報を取り扱う企業があります。

たとえば、病院で使っている電子カルテや、保険薬局で使っている電子薬歴の中に医薬品を検索できる機能があると思いますが、その機能に使うための医薬品情報を作成する会社などです。

このような会社の場合、ITの知識はもちろん必要になりますが、それに加えて医薬品の知識、つまり薬剤師が持っている知識が非常に役に立ちます。医薬品の添付文書から情報を取り出すときに、薬学の知識が必要になることも多いですし、何より薬剤師は添付文書を読み慣れていますので一般の人よりもスムーズに仕事ができることが想像できますよね。

また、薬剤師の多くは理系タイプなので、情報技術の分野の考え方に抵抗なく取り組めるでしょう。

これらの利点を考えて、あえて薬剤師の中から職員を採用したいと考える会社も実際に存在しますから、ITの分野に興味がある人は挑戦する価値があると思いますよ。

医療機関での経験がIT企業で役に立つ!?

医療機関での薬剤師の仕事とIT企業での仕事は全く別物なので、今までの医療機関での薬剤師経験が無駄になってしまうのではと考える人もいるようです。転職をする際は、培ってきた知識やスキルを使ってステップアップしたいと思う人が大半ですので、それが生かせないとなると転職することを躊躇してしまいますよね。

しかし、実際のところ、医薬品情報を取り扱うようなIT企業では、医療機関での経験がかなり役に立つ場合があります。

先ほどお話ししたように、このような企業は、電子カルテや電子薬歴の作成にかかわっている企業です。医療機関でそれらを実際に使っているときに、「こうだったら使いやすいのに」とか「これがあったらもっと便利なのに」など思ったことはないでしょうか。そうです。医療機関側で働いていた経験やアイデアが、IT企業でより良いものを作る際に役に立つということが十分に考えられるのです。

また、患者さんの立場に立って考えられる私たちは、患者さんに利益になるような情報づくりに関するアイデアを出すこともできます。

事実、企業内で社長が臨床経験のある社員をより評価しているということも実際にありましたので、今までの経験が無駄になってしまうことは決してありません。

医療機関での仕事と違うところ

医療機関からIT企業へ転職する時に注意してほしい点は、まず「企業で働いている」という自覚を持たなければいけないという点です。

医療機関では患者さんとのやり取りが主だったと思いますが、企業になると取引先とのやり取りになります。電話やメールでの言葉遣いは患者さんに対するものと違ってきますし、ビジネスをする上での信頼を失わないための配慮も必要です。

もちろん、私たちは患者さんに対する対応や思いやりは常日頃から持っていますよね。ただ、相手がお客様となった場合、同じやりとりでも言葉遣いや対応方法が違うということが多々ありますから、企業マナーを学ぶことが大切になってきます。

私が企業に勤めていた時ですが、ある日社長から数十分後にミーティングをするという社内メールをもらいました。数十分後でしたので、私はミーティングの準備を急いでしながらその時間を待っていたのですが・・・。

私は社長に、「メールをもらったら、それが数十分後のことだろうとなんだろうと、メールを見ましたという返信をまずしなさい。取引先の企業に対しても同じですよ」ということを注意されました。

医療機関では仕事上でメールのやり取りをすることはほとんどなかったので、そこまで気が回らなかったというのが言い訳になりますが、メールを送った相手の気持ちになれば、メールを読んだのかどうか気になっているだろうと自然に返信できたはずです。

思いやりが大事とされる医療機関で働いていたのにもかかわらず、なぜ返信ができなかったのだろうととても恥ずかしい思いをしました。

私が企業マナーを一から学ばなくてはいけないと心から思った出来事です。

転職を成功させて新しい分野で活躍を

今回は薬剤師の知識を使ったIT企業への転職について取り上げてきました。

業務内容やマナーなど医療機関で働くのと異なる点はありますが、新しい分野で今までの経験を活かして働ける可能性があるということが分かったと思います。

薬剤師は経験や資格を認めてもらえることが多いため、様々な分野で働くことが可能で、IT分野もその一つということができます。転職を成功させて新しい分野で活躍するために、この記事を少しでも役立ててもらえれば幸いです。