ホームへ戻る

カテゴリー

新着記事

ここ1ヶ月間の人気の記事

新薬の開発に携われるがデメリットに注意が必要

薬剤師がドラッグストアからCRCへ転職する場合のメリット・デメリット

薬剤師がドラッグストアからCRCへ転職する場合のメリット・デメリット

ドラッグストアで薬の調剤や販売をしていると、薬剤師ができる他の職種への転職を考えることもあるでしょう。 特に、薬剤師であれば誰でもが新薬の開発に携わることに興味があるのではないでしょうか。 そんな時、転職先の候補として挙げられるのが「CRC(治験コーディネーター)」です。 ドラッグストアから転職する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。 またドラッグストアでの経験はどれくらい活かせるのでしょうか。

薬の知識とコミュニケーション能力を活かせる

新薬が認可されて世に出るためには、厚生労働省が省令(GCP)で定めた人体への臨床試験を実施して必要なデータを集めなければいけません。

これを「治験」と言います。

CRCは現場担当者として治験が行われる医療機関に出向き、「プロトコル」と呼ばれる治験実施計画書に基づいて仕事を進めます。

例えばスケジュール管理や使用する薬の保管、書類の作成、治験に参加する被験者集めやケアなどです。

かつては治験を行う医療機関でCRCを抱えていましたが、近年ではSMO(治験施設支援機関)が医療機関から依頼を受けてCRCを派遣していることがほとんどです。

治験は参加する被験者や医師、医療スタッフ、製薬会社の連携が取れていないとうまくいきません。

そこでCRCが調整役として間に入り、それぞれをサポートしながら意思疎通を図ります。

特に薬剤師免許を持つCRCは薬や疾病、薬事法の知識が豊富なので、参加者が必要な情報を相手に応じた分かりやすさで伝えられる強みがあります。

ドラッグストアの薬剤師も、薬を販売するために相手の気持ちを汲んで適切な説明をするコミュニケーション能力が必要です。

こうしたドラッグストアでの経験と薬の知識はCRCになっても活かせるでしょう。

ドラッグストアからCRCに転職するメリット

新薬を待つ患者たちに貢献できる

「治験のクオリティはCRCに左右される」と言われるほど、新薬を世に送り出す上でCRCの役割は重要です。

治験を終えても認可されない新薬はたくさんあります。

だからこそ無事に製品化されると大きな達成感があるでしょう。

治験の苦労が報われ、新薬を待つ多くの患者に貢献できることになります。

規則正しい生活を送りやすい

CRCの勤務は治験を行う医療機関に準じているので、土日や祝日は休みになります。

医療機関の朝礼に顔を出すために早く出勤することはあっても、原則として夜遅くまでの残業はありません。

一方ドラッグストアはシフト制で、土日や祝日の出勤もあれば夜間の勤務もあります。
それと比べればCRCは規則正しい生活を送りやすいと言えるでしょう。

被験者と深く関わり合える

CRCは治験の被験者と直に接する機会が多く、被験者集めの面談では内容の説明を行い、納得した上で参加してもらいます。

治験中も副作用の不安や精神的な負担を軽減するためにサポートし、時には相談相手になることもあります。

ドラッグストアで接客するよりも深く相手と関わり合えるでしょう。

ドラッグストアからCRCに転職するデメリット

給料が大幅に下がってしまう

CRCの年収は平均で300~400万円です。

ドラッグストアの500~600万円に比べると大幅に下がります。

同じCRCでもサブからリーダーになれば若干上がりますが、それでもドラッグストアの平均年収に及びません。

さらにドラッグストアは店長職になると年収1,000万円も可能です。

給料を重視するならCRCは転職する対象でないかもしれません。

遠方の医療機関に通わなければいけない

多くのSMOは全国各地に拠点があり、そのエリア内にある医療機関へCRCを派遣します。

CRCは各拠点に採用され、原則的に別の拠点へ異動することはほとんどありません。

ただし一つの拠点でカバーするエリアは広いため、時には遠方の医療機関に通わなければいけない場合もあります。

調整役としてのストレスが溜まる

治験はスケジュールや進め方が決まっており、そこから外れてしまうと製薬会社に迷惑をかけてしまいます。

けれども誰もが必ずしもこれらに従ってくれるわけでなく、被験者が途中で辞退してしまったり、思うように必要なデータが集まらなかったりするなどストレスが溜まります。

ドラッグストアの薬剤師がこのような調整役をする機会はほとんどないので、慣れないうちは苦労するでしょう。

薬剤師の免許があればCRC未経験でも有利

新薬を他の製薬会社より早く世に出すためにも治験のニーズは高まっており、SMOのCRCは慢性的な人手不足です。

そのため多くのSMOでは未経験でも薬剤師の免許があれば積極的に採用しています。

教育体制も充実しており、認定CRCの資格もあります。

これらを通して治験に必要な知識を身につけられるでしょう。

ただしドラッグストアに比べると求人数は少なく、誰でも応募されると困るのでほとんどが非公開求人になっています。

CRCへの転職には条件交渉が重要

CRCの求人は薬剤師に特化した転職サイトで探すのが一番です。

登録すると非公開求人も見られるようになります。

さらにSMO側の希望と一致すれば専任のコンサルタントから個別に紹介される可能性もあります。

コンサルタントは転職先探しから応募、面接の日程調節や面接対策のアドバイス、さらには給与などの条件交渉を求人先にしてくれるなど、全面的に転職をサポートしてくれます。

特にドラッグストアからCRCへの転職は大幅に年収が下がるため、できるだけ有利な条件で転職したいものです。

しかし、求人側であるSMOも「年収減を理由にすぐ辞めてしまうのではないか」と懸念しています。

このような状況の中、転職コンサルタントがいれば、求職者と求人側の間に入って条件交渉含め転職がスムーズに進むように調整してもらうことが可能です。

転職サイトの利用は無料ですので、CRCへの転職には是非活用してみましょう。