薬剤師のスキルを活かせる職種は調剤薬局やドラッグストア、病院、製薬会社など多岐にわたります。 業務内容も薬の調剤や販売、薬歴の管理、デスクワーク、電話応対など様々です。 そのため全く別の職種へと転職するには多くの不安がつきまといます。 特にほとんどの場合において未経験なので、仕事についていけるか心配です。 こうした未経験分野への転職を失敗しないためには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。

研修制度がある職場なら安心

新しい仕事を覚えるには自分で努力することも大切ですが、まったくの未経験では飛び交う用語さえ訳が分からず、そこで挫折してしまいます。

やはり「研修制度」があるのが望ましいでしょう。

どちらかと言えば、人的に余裕がある大手の方が研修制度は充実しているようです。

ただし研修制度には様々な形があります。

座学の勉強会や先輩のマンツーマンなど丁寧に指導してくれるところがある一方で、OJTのように現場で仕事をしながら覚えさせるところもあります。

前者の方が心理的負担は少なく安心して働けるでしょう。

一つ注意したいのは、どんなに大手の職場でも「繁忙期」というものがあり、さすがにこの時期は指導している余裕がなく放置されがちです。

例えばドラッグストアは風邪やインフルエンザで体調を崩す人が増える冬場（11月～2月）です。

もし転職するなら、その前には仕事を覚えて独り立ちできるように計画した方が良いでしょう。

職場の見学で雰囲気をチェック

未経験でも周囲のスタッフが親切にサポートしてくれれば、少しは気持ちが楽になります。

逆に人間関係がギスギスしていたら最悪です。

未経験で転職するなら面接時に職場見学できるのが望ましいでしょう。

調剤薬局やドラッグストアは客として利用しながら従業員や雰囲気をチェックできますが、それ以外の職種であれば面接時に見学を申し出ると受け入れてくれる場合があります。

そこで既に働いているスタッフが歓迎してくれるようなら安心でしょう。

未経験が有利になる場合もある

むしろ未経験者を歓迎する職場もあります。

前の職場で身についた癖がなく真っさらな状態なので、仕事を早く覚えてくれる可能性があるからです。

特に、MRやMSのような営業担当、ドラッグストアの経験者は人と接することになれているので、未経験でも応用が効き多くの職場で重宝されます。

リーダーの経験がある人も同様です。

最近では語学力やパソコンに強いのも大きなアピールポイントになります。

企業側にとっては未経験を理由に給与を安くできるというメリットもあります。

未経験を歓迎する職場であれば、即戦力を求めるところよりも簡単に転職できるでしょう。

未経験者は年齢制限に要注意

一般的に、未経験者の転職では「年齢」が大きな障害になります。

それは薬剤師でも同じです。

例えば職種で言えば製薬会社や医薬品卸、化粧品メーカーは20代を優遇する傾向にあります。

急性期の病院も体力勝負なので、年齢が上がるほど転職するのは難しくなります。

一方、ドラッグストアや調剤薬局は人手不足なので、比較的高齢でも転職はしやすいと言えます。

慢性期病院や療養型の医療施設、ホスピスのようにむしろ高齢の方が働きやすいところもあります。

ただし高齢になるほど、語学力やパソコン、接客スキルなど未経験をカバーするスキルを持っている方が転職しやすいでしょう。

困ったことに、求人情報では未経験者の年齢制限の有無が分かりません。

それは雇用対策法により、募集時に年齢を制限するのが禁止されているからです。

しかし、例えば30代までの人材を希望している求人先に、40代が転職しようとしても時間の無駄になるでしょう。

そのような求人側の要望を事前に把握するには、転職サイトを利用するのがベストです。

専任のコンサルタントに求人先の要望など詳しい情報を教えてもらうことができます。

未経験者は転職サイトの利用が心強い

薬剤師が未経験の職種に転職するなら、薬剤師に特化した転職サイトを利用するのが効率的です。

非公開の求人情報を見られるというメリットもありますが、研修制度や年齢制限の有無、職場見学の可否など担当のコンサルタントを通して簡単に確認できるからです。

こうした詳細を事前に確認できれば、初めから転職できる見込みがないところに応募する無駄を省けるでしょう。

また未経験の職種に転職する時は何が強みになるか、自分では気づけないものです。

コンサルタントに相談すれば、過去の実績や実際に対峙した時の印象などから、客観的にアピールポイントを見出してくれます。