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ヒューマンスキルも身につく薬剤師の仕事

今注目されている転職先「ホスピス」での薬剤師の役割とメリット・デメリット

今注目されている転職先「ホスピス」での薬剤師の役割とメリット・デメリット

薬剤師の転職先として近年注目されているのが「ホスピス」です。 ホスピスとは、終末期の緩和ケアを行う施設です。 がんやAIDSのように完治が難しく余命が限られている患者が、できるだけ痛みに苦しまず終末期を過ごせるようにするのが仕事です。 高齢化の影響もあり、**今後ますますホスピスの需要は増えると考えられます。** ホスピスで働く薬剤師には、他の職場と比べてどのようなメリットとデメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

ホスピスにおける薬剤師の役割

緩和ケアでは患者のQOL(Quality Of Life)を向上させ、最後までその人らしく生きられるようにサポートするのが目的です。

基本的に延命措置はしませんが、病気から来る痛みや苦しみをできるだけ緩和し、合併症や薬の副作用を防ぐことに注力しなければなりません。

ホスピスの薬剤師は緩和ケアを目的とする医療チームの一員として、医師や看護師、介護士、ソーシャルワーカーなどと連携しながら患者の対応にあたります。

調剤はもちろん、服薬指導や薬剤の管理、患者やその家族からの相談や質問を受けます。

例えば痛みが止まらなかったり副作用が出たりするようであれば、同様の効果を持つ別の薬に置き換えます。

薬の調剤自体は一般の治療と同じように医師の処方に基づき行いますが、目的が緩和ケアのため、専門的な医薬品と薬物療法の知識が必要になります。

緩和ケアは薬物療法が中心になりますので、より良いQOLのために医薬品の提案を行うなど、薬剤師は非常に重要なポジションになります。

勤務時間や給料はホスピスによって異なる

一口にホスピスと言ってもその形態は様々であり、どこを選ぶかによって業務の範囲や忙しさの度合い、給料が異なります。

完全にホスピスとして独立した医療機関であれば、患者の急激な容体の変化が少ないため、余裕を持って仕事に専念できます。

病院内でホスピスの病棟が独立している場合も同様です。逆に病院内でチームを組んで緩和ケアに対応したり、他の病棟と区切られていなかったりすると、他の業務を割り当てられて忙しくなる可能性があります。

他の病棟の対応も兼ねたホスピスの薬剤師であればシフト勤務で残業や夜勤もありますが、独立型のホスピスであれば、平日から土曜日までのフルタイム勤務がほとんどです。

このような勤務形態の違いにより、給料の相場も年収300万円程度から700万円と大きな開きがあります。

ホスピスで働くメリットとデメリット

やりがいと人間性の向上

ホスピスでは、薬剤師は薬の専門家として、患者やその家族から頼りにされ重要な役割を果たすことになります。

責任は重大ですが、薬剤師としてのやりがいを強く感じられるのが最大のメリットと言えるでしょう。

また、死を直前にした患者への細やかな心配りなど人間性が問われる職場でもあります。

患者の気持ちが理解できる高いコミュニケーション能力が自然と身につくでしょう。

これは、かかりつけ薬剤師制度により、薬剤師にコミュニケーション能力が強く求められている現在、強みとすることができます。

人間の生死と向き合うのは大変

一方でホスピスならではのデメリットもあります。

緩和ケアの対象は高齢者ばかりではなく、幼児や青少年もいます。

ほとんどの場合、遅かれ早かれ患者の死に直面しなければいけないため、自分の力不足を痛感したり、助けてあげられないジレンマを抱えたりしがちです。

また、どんなに知識があっても薬剤師にできることは限られています。

患者やその家族は最大限の効果を期待しているため、思った通りにならないと非難を受けてしまう場合があります。

このことが強いストレスになり、ホスピスをやめてしまう薬剤師もいます。
長く働くには強いメンタルが必要です。

ホスピスの求人は転職サイトで詳細を

薬剤師がホスピスに転職するのであれば、病院での経験が長いほど有利です。

逆にドラッグストアや調剤薬局からの転職であれば研修制度があったり、他の薬剤師が支援してくれたりする職場が良いでしょう。

ただ、そのような職場を自力で探すのは大変です。

薬剤師向けの転職サイトに登録すれば、ホスピスの求人情報を見られるだけでなく、より詳しい情報をコンサルタントから入手できます。

特にホスピスは職場ごとに勤務形態が大きく異なるので、自分の働き方に合っているのかどうかを十分に確認しておきましょう。