薬剤師が転職をする時は、自分で希望にあった仕事を探し、履歴書や職務経歴書を作成して応募し、面接を受けて合否を待ちます。 この方法では一度にアプローチできる転職候補先の数が限られ、現在の仕事と並行しながら進めるのは大変です。 一部の転職サイトでは、登録すると興味を持った求人企業から声がかかる「スカウトサービス」を提供しています。 どのようなサービスなのか、活用法と併せて詳しく紹介します。

スカウトサービスの仕組み

転職サイトのスカウトサービスを利用すると、自分の履歴や職歴が求人企業、提携している転職サイトに公開され、興味を持たれたところから連絡（オファー）が来ます。

この時点では氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報は公開されません。

希望に合うオファーに対して返答すると、面接など次のステップに進めます。
ほとんどは無料で利用できますが、有料で提供している転職サイトもあります。

スカウトサービスのメリットは、あらかじめ求人先から必要な人材とみなされているので、「自分で選んで応募するよりも転職できる可能性が高い」ということです。

書類選考なしで面接に進めるケースもあり、仕事で忙しくても簡単に転職活動ができます。

現在の職場に気づかれたくない、あるいはオファーをして欲しくない場合は、社名や職種を特定してブロックする機能もあります。

さらにオファーの内容から、自分がどのような職種で必要とされているのか市場価値を判断できます。

たとえ面接まで至らなくても、今後の転職活動の参考になるでしょう。

スカウトされる人材になるには？

スカウトサービスを利用しても必ず薬局や病院からオファーが来るとは限りません。

もし登録してから半月以上経ってもオファーがない場合は必要とされていないか、そうでなければアピール不足が考えられます。

どんなに薬剤師のスキルや経験があっても、それが履歴や職歴に反映されていなければ伝わりません。

こうした情報を充実させるのが大事です。

例えば任意で入力する項目は空白にしがちです。

備考欄や自己PRなど文章で入力する欄も面倒に感じるでしょう。けれども、それこそが最も自分らしさをアピールできる箇所です。

スキルや受賞歴など、「ここまで書いていいのかな？」と思える些細なことでも余さず入力しておきましょう。

また、仕事の実績や効果は数字で表すと分かりやすいでしょう。
もちろん、一番大事なのは「なぜ転職したいのか、転職してどうしたいのか」をはっきりさせることです。

こまめに更新しておけば、現在進行形で転職活動しているとみなされ、より注目されるようになります。

どうしてもオファーが増えないようであれば、転職サイトのコンサルタントに相談すれば添削してくれます。

スカウトサービス利用時の注意点

本気のスカウトではない？

スカウトサービスで企業からオファーが来ると、つい嬉しくて安易に飛びついてしまいがちです。

けれども、実際に応募してみるとあっけなく書類選考で落ちたり、提携している転職サイトに登録しないと応募できなかったりするなど、期待外れのケースもあります。

これは企業や提携している転職サイトが、条件に合うスカウトサービスの利用者すべてにオファーを送っているからです。

このような場合、履歴や職歴を隅々まで見ているわけではないので、応募後に改めて書類選考を行い、面接で採用判断をするのです。

逆に普通に募集しても人気がないので、スカウトサービスで誰かが返答してくれるのを期待している求人先もあります。

実はスカウトサービスのオファーは、このような不特定多数に送られるダイレクトメール（DM）も多いのが実情です。

本気のスカウトの場合

では、本気のオファーはどのように見極めればいいのでしょうか。

本気でオファーを出しているのであれば、まず文章が違います。

DMのオファーは誰が読んでも意味が通じるように定型文で送られます。

それに対して本気のオファーは履歴や職歴に目を通しているのが分かる文章になっています。

さらに興味の有無や面接の可否を問いかける文章であれば、本気のスカウトと判断できるでしょう。

転職サイトによってはDMと本気のオファーにそれぞれ名称があって、簡単に区別できるようになっています。

複数の転職サイトでスカウトサービスを使いこなそう

スカウトサービスを有効に活用するには、まず届いたオファーがDMなのか本気なのか見分けることが大切です。

本気のオファーが多く届くようサポートしてくれる転職コンサルタントの存在も重要になります。

転職サイトによりスカウトサービスにも特徴がありますので、複数の転職サイトのスカウトサービスを利用して、より良い転職先に出会えるようにしましょう。